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真空管回顧録;20: 真空管のシールドと言うこと

古すぎるお話カラで、自前の写真がないので、借用です。
ニュートロダイン
昭和一桁から十年代にかかる頃、放送受信に興味を持つ方々によって組み立てられたり、そう言う方に頼まれて、ラジオ屋さんが組み立てたりしたラジオの時代(つまり、未だラジオメーカーも存在しない時代)に、組み立てられたラジオの一つの形式で、、、当時「ニュウトロダイン」と呼ばれた、3極管による高周波増幅が2段以上付けられたいわば後年の呼び方で言えばストレート受信機です。昭和5年頃までは、大正の終わり頃から始まった東京愛宕山のJOAKに続いては、大阪で始まったJOBKとの全国で、放送局は2局だけだったのです。夜になって、中波の伝搬が生じたにしても、当時の、1KW前後の小出力での中波放送では地方で放送を聞くには、青竹2本一杯15m高の竹竿アンテナを建てたにしても、高周波増幅段のない受信機では大変なことだったのです。それで考案されたのが3極管で、高周波増幅を重ねようという構想で、、、、、
コイル巻くにも、使えるような絶縁材料のない時代、板と丸棒には出来る、生ゴムに硫黄をほぼ同容積混合練って真っ黒になった日本では後年まで、絶縁版を作った利昌工業が昭和の初めから売り出した「エボナイト」ぐらいのモノでした。
この写真に見える、バリコンとレオスタットが取り付けられている、前面パネルはまさしく利昌工業発売のエボナイト版の筈です。(成分のゴムはまあ良いとしても、何せ半容積も入れてあるのが硫黄分ですから、高周波特性のfmaxは12MHzぐらいでしたでしょう。)従って、段間コイルに使われているのは、綿巻き線の空芯コイル、この巻き方を、バスケットコイルと呼びました。もちろん13本の竹箸などを円周上に立てて、2本越しに巻いていくとこうなるのですが、組紐同様に木綿糸13本折り返し26本を操ってコイルを一層ごとに止めていく、、その手間はご婦人の器用さが求められるという代物でした。もちろんスパイダーコイル段間2枚づつ入れると云うことでも、置換可能ですが。この発振しない角度に設定するのには、トロイダルコイルか、バスケットコイルの方がずっと安定配置出来ました。
何しろ、3極管で高周波を増幅するなんと言うこと自体、チョイと無理な相談ですが、真空管の初期時代は、3極管しかなかったんで、無理を通して道理引っ込ました!回路と「コイルの配置」だったわけです。
磁力線や従って生ずる電気力線などを遮る金属類がない自由空間に置かれたコイル同士は相互位置で容易に電磁的に結合しやすいのです。しかしこの時代の人は、その干渉のほとんど無い位置での相互角度を経験的に見つけて、全くシールドなしで、コノニュートロダインを構成しています。コイルのタイプとしては、トロイダル型と、バスケット型を、見たことがありますが、角度としては、トロイダルの方が54-57度ぐらい、バスケット型では30-40度ぐらいの間で、実験配置して割り出したようです。
このバスケットコイルの巻き方でについては、検索すると、エレキジャックさんが、巻き方をサイト(クリック)にアップしておられますから、大いに参考になります。但し、この冒頭掲げたにゅーとろだいんの写真のとは、大きさも巻き枝の数も全く違います。
参考サイトは15翅ですが、当欄の写真のモノは13翅だと思います。内外径もこちらの写真の方が小さいようですが、、、巻き方はきわめて参考になりますね。昔はこんな下駄の歯のような板は使わず、竹箸を、この写真の板の代わりに両端内外径の位置にアナ繰りして26本打ち込んで、立てて巻いたモノです。針の通した木綿糸で、コイルを抜く前に、各内外径の交差点を、52カ所それぞれ強く縛って、固定してから、コイルを抜き上げる、、、チョイと神経の疲れる細かい作業を伴いましたが、バスケットコイルはリジッドで扱いやすいモノになっていたんです。
c01-bask15翅図bask概仕上図
三極管で安定な高周波増幅はそのままでは出来ません!必ず、送信機並みの、TG-TP発振回路になってしまうわけです。tuned Grid-tuned Plateナノですから、ズバリです!これを発振させないための負帰還コンデンサ、つまり中和させる十分な容量の90度前倒し位相差コンデンサーで、プレートからグリッドに出力の一部をネガチブフィードすることで、増幅率は、かなり犠牲になりますが増幅を可能としたのが、此のニュートロダインです。この各段における中和コンデンサーをこの時代の呼び名は「ニュートロ・ドン」と呼び、マイカコンデンサは、「マイカ・どん」で呼び名的には、、、鰻丼・カツ丼、、の仲間?でしたね。つい先日のTVの県民ショウでは旭川付近の県民好みのでは「げそ・どん」?イカの足のコンデンサー?とにかく3極管しかなかった時代はグリッド側回路と、プレート側回路が近づくと、正帰還を起こして自己発振しやすかったのです。自己発振することを「セルフッた!」などといいましたね。明治時代の日露戦争前の緊張状態で旧制一高優等生・藤村操(16才)が日光華厳滝巌頭の感を、ならの大木の幹を削って「人生不可解」として書置きし哲学自決したコトでさえ昭和一桁ラジオマニやは「セルフッタ!」と評したくらいでした。、、、閑話休題。。。
三極管はなぜセルフ発振を起こしやすいのかはお判りですね、グリッドとプレートの間に何もないからです。このことを表して、Cpg間の正帰還、、などと表現します。
4極管や5極管でも増幅率が高いので、回路が接近すれば、当然起こり得ますが、、、そのほかに5極管の電極引出線の配置上の弱点もあってST管時代にはシールドケースやシールドキャップが用いられました。
6TUBE_RADIO_SHIELDCASE_20141206103100623.jpgshield cap
上の右ラジオの写真で、高周波用の五極管の電極の上部には、マイカ板と支柱を活かして、クラウン・シールドという冠状のシールドが、サプレッサーグリッドに繋がれていますが、球の外まで含めた空間的にトップグリッドの引き出し線とプレート間のシールドが完全ではないのですね。そのためのセルフ発振が起こりえます。このためには、クラウンシールドのすぐ管球の外側すぐまで、シールドキャップなり、シールドケースの首廻りを絞る必要があるのです。ここがシールドケースがお安くないキーポイントなのです。下手なシールドケースよりは管球の首ギリイチのシールドキャップをクラウンのちょいしたまで嵌れば最高です。
クラウンシールドの効用
蛇足までに、昔のTrioのTX88A送信機の終段 UY807のシャーシー上部には、807管球の電極ぎりぎりまでの高さの袴シールドが配置されていたことを思い出していただきたいですね。、


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