スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

真空管回顧録;18: 同(16の続き)陽極キャビテイー・トラップなど。

サブミニチュア管の方が先になりましたが、お許しください。コンパクトロンの紹介で、、、「真空管の末期になって、陽極の構造に、キャビテイートラップなどの新機軸が、、、」と書いてしまいましたが、このキャビトラ構造が、真空管陽極に取り入れられたのは、実はもっと古く、1967年頃、白黒テレビとカラーTVの出始めの混在機の水平偏向管ノバール管16GY5で試行されたのが嚆矢、そのマグノバール管6LQ6、GEではコンパクトロン化された6GY5などで本格使用が始まったようです。
16GY5-RCA_YaO.jpg
tube_6lq6 mag novarv6gy5-ge.jpg

上掲の写真で、プレートと放熱フィンの間に若干のふくらみが見えますね、どうやらこれが、キャビテイートラップと言うことを試行した時代のモノらしいです。このキャビテイー・トラップを入れた分だけ電極が大きくなり、当然エンベロープ管球も一回り大きくなりました。この脚は9ピンMT並みで、ノヴァール管球より更に一回り大きい球を、日本ではマグ・ノバール管と俗称しましたが、本家アメリカではNOVARとして特に区別はないようです。

話が飛びますが、日本の学生帽はだいたい黒と決まっていましたが、夏、衣替えと共に、学帽には白い日覆いを掛けたモノでした。
gakuseibouhioi.jpg
現在では学生が学帽をかぶらなくなり、警官と駅員さんの帽子が夏の日覆いが残っています。白は反射率が高く、夏の強い日差しを殆ど95%近く跳ね返せるからですね。学帽をかぶらず、長髪をむやみに伸ばして粋がる学生は、夏の日差しを93%はモロニ吸収しているはずです。熱中症に限りなく無防備なわけですね。夏は白い帽子をかむりましょう。女性の日傘も全く同様です、白くて目を射るようなのが反射率が高いのです。最近の中国製の黒に模様入りのハイカラ日傘は、90%は夏の日差しを吸収して傘が暑くなってしまいます。熱中症必至です。白い日傘にしましょう。
更に、色だけでなく、構造的に熱吸収することも出来ます。蝶が成虫で越冬するのに必須なのは、晴れた冬の日の日光浴ですが、蝶は黒い色の蝶ばかりではありませんね。どうやらこんな仕掛けが彼らの羽の鱗粉にあるようです。つい最近の某JW配布誌から画像を借用します。
蝶の鱗粉のミクロ光トラップ004
この一つ一つの蜂の巣構造が、ミクロな光のキャビテイー・トラップで、光線の一つである熱線もしっかり100%に近くトラップする仕掛けのようです。
真空管の陽極は、カソードから放射されいくつかのグリッドで振り回された熱電子線が、プレートの金属板に突き当たり、金属板の自由電子をイヤと言うほどぶっ叩くので、自由電子は嫌々追い出されて、好き勝手に飛び散ります。金属板の背中方向にたたき出されるモノも多く、多くの真空管ではガラスに反射して又陽極にぶつかってコントロールされない電流を引き起こしますから、ガラス管内壁には「灰色」の「制電塗装」が施されて、ガラス内壁からの二次電子の反射を押さえました。GT管やMT管までは、この塗装か管内シールド、が必須に近かったワケです。
量産型MT管の途中からプレートの色が変わりました。所謂「グレー・プレート」という、外面少し青紫がかった明るい灰色のプレートになりましたね、これが、外面に二次電子の放出を押さえる細かいトラップ構造を持つ、特殊表面処理された専用陽極板なのですね。
以降のノヴァール管、コンパクトロン管にはこの陽極が使われ、、、ガラス球の内面塗装は、見たくてもなくなってしまったわけです。更に陽極の中央に、どうせ量産プレスの際に作り込めるこのキャビテイートラップを作り込んだわけですね。こうして陽極損失(デイシペイション)も増えはしますが、有効出力も増強でき、水平偏向管としてブラウン管の90度偏向・更には110度偏向というHeavy-Dutyに使われたわけでした。
一方内部での陽極カラの二次電子反射は押さえきれず、相変わらずのサプレッサーグリッドは必要、そのほかに、6JS6Cに使われた、サブプレート構造、、、、その以前からこの二次電子をトラップするキャビテイー・トラップ構造が使われ始めていたのですね。
ドイツのFunktechinik誌の1968年の何月号かには、マグノヴァール管6LQ6x4本の400~500w級のリニヤーアンプの製作記事があるのだそうです。ずいぶんこのキャビチートラップ構造は古い歴史があったようですね、失礼しました。
6lq6 x4 lin amp
ドイツを引き合いに出して、、、放っておく訳にいかないのがイタリー、、でもチョイと名前が悪いサタンと言えば悪魔、の名を付けているDrake顔の、SatanME1000、、、6KD6 x4/x6/x8のリニヤーアンプが存在したようです。使用球6kD6については、前のコンパクトロンの項に書いてあります。
Satan18-463712-08-2007CIMG1644.jpg
DrakeのT-4/4x/4xcラインのTXの終段に使われたのは(16)話に書きましたが、DrakeのTR-4/6:HFトランシーバー及び6mのトランシーバーの終段も6JB6だったようですが、当然同じ脚なのでマグノーバルも使われたかも知れませんね。
DrakeのHPでのTR-6・TR-4を見てみましたが、配線図にはV8/V9/V10とあるだけで、管種の記載はありませんでした。
tr-6.jpg
こうして、TV用に無線用よりは桁違いに量産されるコンパクトロンやマグノバール管が製造されてふんだんに供給されては、当然無線機メーカーも、使いますわね。6146BもS2001も、更には発売されるはずだった松下通信工業のS2002、S2003も掛け声だけで幻と消え去りました。
コンパクトロンで、究極の世界最強水平偏向管は、115度偏向を志向した、6LF6/6MH6とされますが、日本では生産も販売もされませんでした。6lf6 T fin
因みに、この電極では、キャビトラ陽極プレスの際に、その両サイドに別途製作したT型断面の放熱フィンを挟み込むと言う工程が増え、かなりのコストアップが懸念されたモノと思われます。

こうした、真空管の、主に陽極損失(単なるロスでなく、有効損失分を含む)がすべて熱となって、テレビや、無線機のキャビネット内に籠もる、、、この放散処理、、、これが最後までガンで、半導体技術が進んで、大型集積回路の電流の省力化と、ヒートシンクによって熱がまとめて処理できる簡便さには勝てず、真空管機器は、あっという間に、家電界から消えていってしまったのでした。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。