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真空管回顧録14: 複合管6F7誕生

戦後の日本の「軍・ジャン」球として、自作派に便利重宝で垂涎タラタラだった真空管に5極3極複合管6F7が在りました。軍用無線機でも、5極と3極管部を別々の用途に使っていたようで、多くのヒトが、その後も、この球は元々便利な五極3極複合管として発生した球だと思いこんで居られる方が多いと思います。偶然とは、時に恐ろしいモノで、本当に恐ろしい方は、その後戦後になって、マーフィーの法則というおどろおどろしい法則に仕立てられたりしていますが、、、6F7の場ワイは偶然、本来目的では役立たずのはずが、他に便利に役立って、独り立ちの道が開けた、、、ということでした。
6f72.jpg
昭和7年3月、以前にLC同調回路の共振を証明していたアームストロング教授の提唱した局部発振の方がより高い上側周波数による、差額中間周波増幅で安定に受信できる、つまり、オートダインや、インフラダイン、ニュウトロダインに対抗して「スーパー・ヘテロダイン」と名付けられた回路の発表と殆ど機を同じくして発売された、この周波数混合管、ヒーター電圧2.5v用2A7、6.3V用6A7が売り出されました。戦前は、この種5グリッド七極混合管は、4極管式にサプレッサー格子が無いのが特徴でした。UY235/236など4極管が、より安定なUY234五極管より、倍以上も高い56-60メガサイクル、5mバンドまで増幅できることが知られていたからでした。このため当時言われ始めたオールウエーブ全波受信機のスーパーへテロダイン回路の周波数混合にも、当然サプレッサーグリッドは邪魔になると判っていたわけです。6F7と共に世界中で使われたこの種周波数混合管を並べてみましょう。6F7も
この同類である一番の証拠、6A7とそのまま差し替えられる脚の接続も示しましょう。
周波数混合管historymc
「五極管は、安定な増幅管だが、fmaxが4極管の半分にも達しない」が当時の常識であったわけです。前講に写真を掲載した、戦前舶来のテレフンケンの豪華、電蓄付きオールウエーブに使われていた混合管が、上のアルミ塗装管テレフンケン独特の3極6極複合管ACH1という球です。スクリングリッドはありますが、サプレッサーグリッドはありません。写真説明には間に合いませんでしたが、1934年4月の発売のようです。このとき既に、6F7はほぼ1年前に発売されていて、テレフンケンでもUt6F7として一部の受信機に採用した形跡があるようです。
一方アメリカの軍用メタル管ですが、6a7をメタル封入用に縮尺したが、うまくいかない、非常に不安定、だが納めろで不評ながら6A8というトップグリッドメタル管が納入されたようです。実用出来ず6F7の電極で、メタル管でないトップグリッドで脚がメタル管並のガラスG管6P7Gにつくって軍用ショートリリーフに作られたわけです。2年後の1935年になって、軍用の受信機の使用バンドが殆ど18メガ以下と判って、サプレッサーグリッド型5極3極複合管をメタル管に無理矢理入れた、6L7がもっとも安定な周波数混合管として、BC312をはじめとする、BC342,BC348など、の軍用汎用受信機には全般的に使われました。これら受信機のFmaxはよく知られるように18メガサイクルですね。同じ軍用トップグリッドメタル管でもトップ下の首の形が、特徴的に違っていました。日本の6WC5がまねしたのはこのサプレッサーグリッドを持つミキサー管で、第1グリッドを使って発振させたことで、さすがのRCAも戦後すぐこの電極構造を研究し、まだよく検証の行かない6K8のトップグリッドを脚に回して6SA7の名称を仮付与していたトップグリッドなしメタル管シリーズの小型安定サプレッサーグリド型(ほぼ6BE6の電極に同じ)周波数変換管6SA7を成功裏に完成したのでした。サプレサーなしの6K8はトップグリッド付きでやっとfmax約40メガサイクルカツガツだったようです。因みに6SA7は32メガくらいまでいけたようです。
痛し痒し、安定にするためには、五極三極管部を電子的に切り離しサプレッサーグリッドを入れるのが佳いのですが、Fmaxがガタンと下がってしまう。戦前戦中まで、こうして全波受信用の多グリッド周波数混合管は、右往左往したわけですが、日本の戦後の民間放送開始の国民型受信機から/~何が何でも「五キュースーパー」時代』と云うことで割り切ったら、割り切れたはずなのにお釣りが来た!一方戦時中には周波数変換管としてはfmaxで落第したはずの6F7が日本の軍用受信機では『複合管大歓迎』で役立って、、、日本ではマーフィーの法則がどこ吹く風、、、でした。
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テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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