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真空管回顧録11: 7極管の歴史と周波数変換管の出現

インターネットに紛らわしい記事が、しかも不正確な文献の引用で裏打ちされて、出ていましたので、標記の解題で、チョイと訂正させていただきましょう。先ず引用された、戦後の雑誌(多分昭和24年頃の「ラジオと音響]誌の該当ページの、その後のコピーマシンのハシリの頃の半乾・半湿酸化亜鉛コピー紙による複写と見られる)引用記事(部分)から。6WC5 mc
しかし、事実は大きく違い、アメリカの軍用メタル管の、真空漏れ防止技術の必要から、トップグリッドメタル管シリーズ6L7-6K7-6J7-6B7(総てトップグリッド管)を、Gridを脚に廻して平頭メタルシリーズの6SA7-6SK7-6SJ7-6SB7にするためには、6SK7以降は旨くいったが、ガラス周波数混合管6A7や6L7Gの電極を、メタルに収納して、トップグリッドの配線を脚に廻しても、全く旨くいかなかったようで、、、メタル管の元締め、RCAは手を回してGEに東芝の周波数変換管6WC5の電極を入れてみるように指示「果たせるかな」、6SA7の開発に成功して、かろうじて面目を保ったというのが事実だと、西堀栄三郎さんから直接承った。

このことを理解するためには、7極管つまり5グリッド管の歴史と、それらのグリッドをどう考えて、変遷したかを、考えてみなければ簡単にはRCA/GEの成功が納得できないでしょう。それは同時に6WC5の電極設計者の功績でもあるのです。因みに一つのヒントは、、、それ以前の、この種7極管は、周波数「混合」管と呼ばれ、戦後直ぐの日本で作られた、トップグリッドのない6WC5は何故か周波数「変換」管と呼ばれました!このことは5グリッドの設計のねらいに大きく関係したのでした。
7極管が必要なのは、当然ながらアームストロング教授発案のスーパーへテロダイン回路に必要だから、、、つまり平たく言えば、長波から短波までの「全波」横文字英語のカタカナ英語に直せば「オール・ウエイブ」ラジオに欠くことの出来ないタマだったんですね。イギリスでは、ブチの耳だれ犬が、蓄音機の細長喇叭に耳を傾ける[his masters voice]社が長波と短波のオールウエイブを中間周波163キロサイクルで苦労して作り上げたが、アメリカでは、同じ系統の会社Victor社が、中間周波数463kc/sの「ラジオラ]と言うオールウエイブを作った。周波数割り当て範囲が違って、英国は現在も長波放送が残っている事情がありました。長波から短波まで、数千メートルの波長から10mの波長まで、スムーズに発振でき、増幅できる回路や真空管が出来るのは奇跡に近いのです。だからこそ、中間周波数という周波数に変換して扱うわけですが、、、その変換は「局部発振周波数」を「放送電波」に旨く「混ぜて」「差額周波数」を引き出すのですから、三拍子が揃わないと、、、結果は期待できません。
この回路の実用化が企画された頃は、3極管での増幅には、真空管の電極間容量Cpg中和ドンを必要なので、、ナンとかCnの要らない真空管をと、スクリーングリッド4極管、さらにはサプレッサーグリッド5極管が発明されたのでした。この経緯から、4極管や、5極管の(脚開放端でない)実施例の回路状況に置ける、Cpgなどについても研究されて、4極管の方が実効Cpgは5極管よりはずっと小さいことが確かめられ、、、たとえば、米国National社が作った超短波用バンド用の、当時のハムバンド5mバンド用のスーパーへテロダイン受信機の高周波段、発振管及び、混合管なども、総て、当時としては流行遅れ気味だった4極管34が使われました。=この爺ブログに既に1年ほど前に紹介しています。このことが、、、7極管ファミリーの電極設計に尾を引いて、当時から作られた,2A7,6A7,6L7G、メタル管6L7総て、混合部用グリッドは、4極管グリッドねらいの設計だったわけです。famiri-mc.jpg
7極管ファミリーをご覧になって、、、あれ?6F7は違うぞ!とおっしゃる方、その通り電極構造は全く別の、同じ共通カソードの上に、上部に5極管部、下部に三極管部、トップグリッドは5極管のコントロールグリッドを一球に封じ込んだ複合管です。但し、脚の結線図をヨークご覧下さい!ナンのための複合管だったか判りますよ!Ut-6F7001 mc
Ut-6A7 bottom mc
ハイ、おわかりですね。そのままオールウエイブの6A7のソケットにぶち込んでも、チャンと、周波数発振混合管として働く、、、脚の結線はファミリー管であることの証明なのです。ご存じでしたか?長波、中波、中短波までは、6A7よりは安定に引き込み現象もなく安定でしたが、惜しいことにソノ安定化に役立つUY-24B並みの管内シールドが災いして、オールウエーブ用のタマというわけに行きませんで、日本では軍用無線機用のタマとして、複合管として重宝されました。その点、6A8、2A7, 6L7Gに見るような、管璧への制電塗装の方が良かったんですがねえ!
軍用無線機ではどっちでも良かったんでしょうが。米軍のメタルチューブでは、旧トップグリッド・メタル管シリーズでは、6L7でした。Matsuda_UY24B_old_1_mc.jpg
この4極管グリッドにこだわらないで安定な5極管グリッドタイプでの、6WC5の出現は、確かに設計自体が昭和20年だそうで、実用化の売出が、昭和23年か24年の初め、、、。大量に出るのは、GHQがNHKの独占放送反対で、昭和25年に放送法を改正、1年以内に10局以上の民間放送を開始させよ!と号令し,4球スーパーや5球スーパーがジャカスカ売れ出した、昭和25年の後半以降です。6wc5 foto mc日本で使われたのは確かに通信機型受信機にもありましたが、殆どは中波用の5球スーパー用で、4極管グリッドを顧みる暇は全くなかったわけですね。ま10m波長までならナンとかこなせましたが。

しかしこのタマの呼称方法は、眠れる森の真空管の林光二氏による如く、第二次大戦勃発直後の、敵性語廃止、敵性規格撤廃への一つの目論見で企画され、翌年4月18日の東京他のドウリットル空襲で、急がされ確か昭和17年の12月の、放送受信機の局型から国民型への切り替えの際の真空管お名前にも、この日本式の呼称方法で、12WC1-12YV1-12YR1-12ZP1-24ZK2などの呼称方法が採られたはずです。
ついでですが、この頃の、トランスレス用の12WC1は6A7型のヒーター電圧12V化したモノですのでむしろ15A2と言うトランスレスレス管ファミリーと言うべきかも.15a2_20110415120751.jpg
又、5極管設計的グリッド設計については語られませんが、セミ可変増幅率的なG3グリッドの梳かし方などについては、ラジオ少年の6WC5の項をご覧下さい、詳細な、電極写真が紹介されていて、非常に参考になります。

6WC5と言う命名の最後の桁は開発ナンバーを入れることになっていますが、ここが初めから既に「5」だったことは、、、あるいは設計者が、ペントード(5極管のこと)式グリッドのタマをねらって開発したンだよ!と言う、秘密のサインだったのかも知れませんね。深よみしすぎかな?
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テーマ : 歴史雑学 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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